ロスチャイルド家の歴史と背景
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正しい手の上での躍らせ方

1814年に開催されたウィーン会議において、ナポレオンによって追放されていた旧体制陣営やヨーロッパの支配体制が復活しました。老舗の業者たちはこれら旧体制側と結託し、新興でユダヤ人でもあるロスチャイルド家を排除しようと目論みます。これを受けたロスチャイルド家は反撃に出ます。各市場で極秘にフランス公積を買い、一気に売り出したのです。その結果、フランス公債は大暴落。事の重大さに気づいた各国首脳と銀行家は、怒りを解いてもらうために、サロモンとカールに商談を持ちかけます。するとほどなくして、公債の相場は落ち着きを取り戻したのです。この出来事は、ロスチャイルド一族がユダヤ人でありながらも、不動の地位を築くきっかけとなった“天下分け目の戦い”だった、と一族の間では語り継がれています。

マイヤーが夢見た「ロスチャイルド・ネットワーク」の完成

アーヘン会議から2年後の1820年、二男サロモンがウィーンに移住し、その翌年に四男カールがナポリに移住しました。また、すでにフランクフルトには長男アムシェル、ロンドンには三男ネイサン、パリに五男ジェームズがそれぞれ移り住んでいました。これにより、既に亡き人となっていたマイヤーが夢見た、5人の息子によるヨーロッパ全土の支配…いわば“ロスチャイルド・ネットワーク”の完成が達成されたのです。