ロスチャイルド家の歴史と背景
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ネイサンは支配者

初代亡き後、一族の主導者となった三男のネイサン。彼はしばしば新聞に「ヨーロッパ金融市場の支配者」と書かれており、その力を示した数々のエピソードが残されています。その中でも、イングランド銀行に対して力をふるった有名なエピソードは、次の通りです。イングランド銀行が長男アムシェルの小切手の受け取りを拒否したことに対し、ネイサンは「ロスチャイルド家の小切手は個人的なものではない」と激怒。秘書を総動員して、連日同銀行から莫大な額の金貨を引出し続け、銀行内部の準備金を減らすという仕返しを仕掛けました。ついに、イングランド銀行は折れ、アムシェルの小切手現金化に応じることとなったのです。

「戦費はびた一文出さない」という、戦争の止め方

戦乱を予測して各国の公債相場が暴落しつつある中、5人の兄弟は「戦争のための費用はどこの国にも出さない」という申し合わせをし、戦争の阻止に動き出しました。しかし、金を出さないだけでは事態が収束しそうにない。ロスチャイルド家のサロモン、ジェームズと、メッテルニヒ、ルイ・フィリップの間で、暗号書簡による交渉が進み、着々と戦争阻止計画が練られていきました。そして、ロスチャイルド家の和平工作は見事成功。こうして、開戦は阻止されるに至ったのです。