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ロスチャイルド家のはじまりは
ロスチャイルド一族の物語の始まりは、フランス革命が起こるさらに前の1760年代、一族の初代にあたるマイヤー・アムシェルが、フランクフルトで金融業を手掛けた頃までさかのぼります。その後、マイヤーはハノーバーの銀行で修業を積みましたが、故郷に戻ったマイヤーを待っていたのは、両親が他界していたという厳しい現実でした。この時、マイヤーはわずか20歳。自ら食い扶持を稼がなければなくなったマイヤーが始めたのが、古銭商でした。しかし、当時の一般庶民は、日々の暮らしを送るだけで精いっぱい、古銭になど興味を示すはずがありません。そこでマイヤーは、富裕層をターゲットとして、顧客の開拓を行ったのです。
顧客獲得のために知識を商売へ活用
当時、下層階級であったユダヤ人のマイヤーは、どのようにして富裕層との取引を成功させたのでしょうか?彼が真っ先に取り組んだことは、自分が昔勉強していた知識をもとに、古銭の価値や雑学などを手書きのパンフレットにまとめることです。さらに、このパンフレットを顧客になる見込みのある人へ郵送しました。こうしたマイヤーの努力が幸運を呼び、ヴィルヘルム公との取引のチャンスを手にしたのです。