ロスチャイルド家の歴史と背景
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第一次世界大戦

ヨーロッパの列強とそろって植民地に進出していくロスチャイルド家には、「帝国主義者だ」、「戦争の仕掛け人だ」といった批判がついてまわりました。事実、イギリス軍の遠征を後押しすることでイギリス帝国主義の行動に関わり、パリ分家は植民地での各種事業を支えるために大奔走し、“高利貸的帝国主義”とまで言われるようになります。こうして、ロスチャイルド家に対する平民の怒りがどんどん溜まっていく中、1914年6月28日、サラエヴォ訪問中のオーストリア皇太子夫妻がセルビア青年に暗殺されたことをきっかけに、第一次世界大戦が勃発してしまいます。

命取りの相続税

第一次世界大戦は人々の意識を激変させる戦争となりました。終戦後、ロスチャイルド家にとって経済的な打撃となったのは、これまでにかけられたことのない“相続税”がかけられたことと、ロスチャイルド家の金融業務で大部分をしめていた公債の発行が、戦争によって危険な投資になってしまったことでした。ロスチャイルド家の格式や、すでに投資している事業を守ることで精いっぱいだった一族は、まさに放心状態になっていたのです。