ロスチャイルド家の歴史と背景
HOME20世紀の状態(2) > 本格的な株式会社化へ

本格的な株式会社化へ

1967年から68年にかけて、ギーはロスチャイルド兄弟銀行を本格的な株式会社に改組し、預金会社へと変身させました。この大改革に伴い、名前もロスチャイルド銀行へと改めました。かつては大口の顧客しか相手にしなかったロスチャイルド銀行は、今や庶民の貯金のためにも通帳を作る銀行となったのです。さらに1978年には、ロスチャイルド銀行と持ち株会社である北部会社との経営を合併することで、経営の合理化、関連企業の緊密化を図り、グループの活性化を目指します。その甲斐あって、80年末の段階ではパリ市内に12支店、主要都市に8支店を持つまでに成長しました。

今なお金融帝国

ロンドン・ロスチャイルド父子銀行の1993年会計報告によると、同行は全世界に20の支店をもっており、2000人の従業員を抱えています。しかし良く考えると、支店も合わせた行員数としては日本の都市銀行と同じような規模になってしまいます。ですが、ロスチャイルド家が行っている金融業は預貯金だけではなく、債権の発行や協調融資、財政コンサルタント分野にも及んでいるため、一般の預貯金銀行と比べること自体が無意味でしょう。また、ロンドンの他にパリのロスチャイルド会社銀行、ジェイコブの銀行、エドモンの銀行というように第3、第4のロスチャイルド銀行が出現しています。それぞれに司令塔を持って切磋琢磨し、いざという時は共同戦線を張る、というロスチャイルド家は、今もなお金融帝国と呼ばれるにふさわしい存在なのです。