ロスチャイルド家の歴史と背景
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ジェイコブの商業的センス

自由になったジェイコブは大胆な投資活動に乗り出します。そして、投資だけに留まることなく、他の投資銀行の株を取得したかと思えば保険関連の会社を吸収する…といった具合に次々と事業を拡大し、4年間で資本金を4倍に増やしました。しかし、その後、ジェイコブは突然自社の株を切り売りし、事業の縮小をはじめます。これは、ヨーロッパが戦後最大の景気後退に見舞われる1990年直前のことで、これ以上にない絶好のタイミングであったと言うべきでしょう。

パリ家の復興

パリ・ロスチャイルドの戦後復興は、ギー・ド・ロスチャイルドが1944年パリに帰還したことではじまります。ヴィシー政権のために接収されていた証券類を取り戻すと、ロスチャイルド兄弟銀行は事業を再開しました。国土の荒廃によりかなりの打撃をうけたパリ・ロスチャイルド家でしたが、フランス経済が復興を始めると傘下の企業もたちまちに元気を取り戻してきました。