ロスチャイルド家の歴史と背景
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ローマ法王による接見

ナポリに駐在していたマイヤーの四男カールは、治安維持を目的とした軍隊への費用をローマ法王庁へ融資したことが評価され、1832年、グレゴリウス16世から勲章を受けました。この時、カールはグレゴリウス16世の手に接吻をしたのです。これは社会に大きな衝撃を与えることとなりました。というのも、当時、ユダヤ人が改宗もせずに法王との謁見を許されたこと自体が重大な事件だったのです。しかしもちろん、この出来事には相応の理由があったようです。ヨーロッパ各地でユダヤ人の権利回復が進みつつあったことはもちろんのこと、ほかならぬロスチャイルド家自身が、ユダヤ人差別をなくそうと数々の努力を積み重ねていたことが奏功した、と考えるべきでしょう。

人種差別その怒り

金融王として知られていたネイサンですが、差別によりその怒りを爆発させたことがあります。彼の甥であるベンジャミン・ゴムベルツが、ロンドンの保険会社に入社しようとしました。しかし、彼がユダヤ人であったことを理由に、入社を拒否されてしまいます。これに対し、ネイサンは激怒。早速、火災生命保険、海上火災保険の二つの会社を創設し、その経営者にゴムベルツを据えました。そして、差別を行った保険会社に対し、激しい競争を仕掛けることで応酬したのです。